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  • 2014.08.26 Tuesday

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TCS(テレコーディネーターシステム)

造語の説明:
 
「TCS」とは、Tele Coordinator System のことで、Tele とは、「遠いとか、遠く離れたとか」の意味があり、Coordinator とは、「調整者とか、統合者とか」の意味があります。TCSは、遠く離れた所にいる人が、会議などを有線テレビで見て、調整するためのシステムであり、これを石桁研究室で開発しました。
 
システムの開発ですが、会議の効率化とか、会議の参加者に知的刺激を与える方法の模索とか、会議の進行役への指導や助言とか、そんな狙いで開発しました。開発当時まだまだ「テレビ会議システム」など、普及していない時代でした。今なら、インターネット利用の「スカイプ」でしょうか。
 
この仕組みは、双方向の有線テレビ会議システムですが、遠隔地を結ぶ会議システムではありません。一方に会議の場所があり、会議の参加者と進行役がいます。もう一方にコーディネーターの部屋がありまして、会議の様子は、コーディネーターがすべて把握できるようになっています。もちろん、会議は問題解決を目指した活動としています。
 
コーディネーターの役目ですが、単に会議での発言のチェックマン(お目付け役とか、看視者)ではありません。会議の進行を見て、会議の方向が望ましくない方向に進んだり、停滞したり、突っ込みが不十分であったり、進行役がうまく機能していなかったりした時、コーディネーターはテレビの画面を通じて、ある種の情報を送り、会議の場に刺激を与えたり、助言的な情報をそっと与えたりするのです。

 
この情報こそが「メタヒント」なのです。このTCSは、メタヒントの利用法の開発や、利用の実態把握や、会議の知的なコントロール方法の開発用という目的も加えていました。
 
したがって、以上のことを踏まえて、このシステムをかっこよく表現すれば、「TCSとは、双方向のCCTVを用いた問題解決用のコーディネーターとグループディスカッサントとの会議支援システムである」と言えます。
 


造った理由:
 
造った理由といっても、造語というよりは、なぜこんなシステムを造ったかということがポイントでしょう。
 
そもそもこのシステムの発想は、会議の進行をどうコントロールするかという解決にありました。今日でもとかく会議はだらだらし、能率を上げることが必要ですね。しかし、能率といっても、時間短縮ではありません。効率のよいしかも効果的な会議へ近づけることです。
 
そこで、会議の調整役(コーディネーター)を導入するというアイデアが浮んだのです。そう言っても、コーディネーターが上司であるとしますと、上司がいきなり口を出すと、会議の雰囲気を壊し、会議の参加者を萎縮させてしまう恐れがあります。
 
しかも、コーディネーター役は、万能選手やスパーマン的な人材が想定されました。そんな人なんて、ざらにはいません。また仮に、有能な人がいたとしても、いつもいつも会議のコーディネーター役ばかりさせられませんし、会議室の近くにいつもそんな人材がいるとは限りませんしね。
 
そこで、会議室には顔を見せず、しかし会議のポイントには、助言的情報である「メタヒント」を提供するシステムに落ち着いたのです。
 


エピソード:
 
当時の石桁研究室は経営工学科に所属し、部屋が3室あって、E号館の4階に私の個室があり、B号館の3階に研究室(これを会議室に見立てる)があり、物置だった部屋(これをコーディネーター室とする)が同じB号館の3階の隅にありました。
 
このB号館3階の2室を、同軸ケーブルで繋ぎ、双方にテレビカメラと受像機を置き、このシステムを稼動させました。その間、直線で約40mはありました。会議には、卒研生が参加しました。このB号館は老朽化したので、今は撤去されています。
 
コーディネーター室には、VTR(当時はオープンリール式)を設置し、会議の様子を録画・録音するようにし、コーディネーター役の者(卒研生の1人)が、メタヒント(画用紙に描いたもの)を、会議室に送信しました。
 
送信するメタヒントの選び方、送信のタイミング、進行役へのメッセージなどは、気の利いた卒研生が当たりました。卒研生の岡井 孝君は、なかなか機転が利く学生でした。
 


公表文献:
 
情報処理的問題解決過程の研究(4)、大阪電気通信大学 研究論集
人文・社会科学編 第13号 1977年(昭和52年)10月。
 
情報処理的問題解決過程の研究(5)、大阪電気通信大学 研究論集
人文・社会科学編 第14号 1978年(昭和53年)9月。
 
石桁正士著 情報処理的問題解決法(情報科学シリーズ10)、パワー社、
1990年2月。(この本は、私の唯一の単独著書です。)



 

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講師のご紹介 【向塾】

大和 可也
(やまと かや)

1944年生まれ。高知県出身。
早稲田大学文学部卒。
教育プロデューサー。

大学卒業後1969年〜1987年 (株)学習研究社勤務。 独立後、メディアプロデューサーとして活躍。
その後、大学講座演出、プロデュースを手掛ける。

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相澤 将之
(あいざわ まさゆき)

1942年生まれ。東京都出身。
法政大学経営学部卒。
元東京リコー社長。

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石桁 正士
(いしけた ただし)

1936年生まれ。和歌山県出身。
和歌山大学学芸学部(現教育学部)卒業。(教育学士)
大阪市立大学大学院工学研究科修了。(工学博士)

京都大学、大阪大学を経て1970年に大阪電気通信大学助教授に就任。その後教授を経て2007年名誉教授となる。
やる気研究会の主宰や情報教育学研究会(IEC)の発起人として活躍し、現在大阪電気通信大学の客員研究員として教育の研究に従事。

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